幻のヤマモモ酒 |
ヤマモモが、鈴なりに実を付けている。 根元に沢山落ち、甘いかおりが漂っている。 リスが来て「此処は俺様の縄張りだー」と虚勢を張った鳴き声を発している。 リスに「一つ貰いますよ」と声を掛け口にすると、みずみずしい酸味とほのかな甘さが広がる。 ヤマモモを見ると思い出す人がいる。 親しくしていた不動産会社の常務のNさんだ。 何時からともなく、当社の建築に惚れ込んでくれ、高級住宅地を購入したお客様を紹介してくれた。 お客様は皆、質の高い住宅を望まれる、それなりの方々ばかりだった。 その内の何軒かは、住宅専門誌の取材を受け掲載もされている。 Nさんの仲介で土地を購入したお客様は、Nさんを信頼し、Nさんも当社に同じ気持ちで接してくれた。 Nさんは九州の出身で、実家が造るヤマモモ酒は絶品だと自慢していた。 今度出来たら必ず飲ますからと約束した。 とこらが、バブル崩壊で、Nさんの勤める不動産会社が、商業地区一等地の開発事業に手を出し頓挫、会社は倒産した。 役員として責任を取ったのか、その後は音信が途絶えてしまった。 楽しみにしていた絶品のヤマモモ酒は幻に終わった。 ・ヤマモモの実 完熟すると下に落ちてしまう ・根元の道端に広がり、周囲に甘い香りを漂わせる ・近所の人がヤマモモ酒を造ると持ち帰る ・杏が色づき梅雨も明けた、熱中症には要注意の天候に入る |
by isoda-shonan
| 2011-07-11 12:04
| コラム
|
Comments(0)
|
<< 住宅リフォームで省エネ化と耐震化 | 腰越伝統の夏祭り >> |