◎家族の健康を保てる家(1) |
『住宅の性能と役目』と云う前回の表題5項目について、今後順次解説していきます。 最近住宅の断熱性能と健康の関連について医学と建築学双方の研究が進められている。 かながわ健康・省エネ住宅推進協議会、副会長の慶応義塾大学理工学部システム工学科 伊香賀 俊治教授は住宅の断熱性能を高めることで家庭内事故と疾病のリスクを軽減できると提唱してる。 古来日本では、兼好法師の「家は夏を旨とすべし」と夏型の透け透けの家を推奨してきた。 こうした慣例から住宅建築家も気密性能や断熱性能の大切さを軽んじる傾向が続きました。 これでは冬どんなに暖房を高めても暖気は抜けてしまう、しかも暖房費はうなぎ上りとなる。 このような家に住むと、暖房してる部屋と無暖房のトイレ、浴室でのヒートショクや循環器疾患で亡くなる家庭内事故は交通事故より多く発生すると教授は警鐘する。 高齢者の心疾患、脳血管疾患等の発生率は温暖地ほど高いという。 これは、寒冷地より温暖地ほど断熱性能の悪い住宅が多いことに起因するものと考えられている。 英国保健省によれば、住宅内室温の低下による疾病・死亡リスクは、16℃未満で呼吸器疾患に影響があり、9-12℃だと血圧上昇、心臓血管疾患のリスク、5℃では低体温症を起こす危険温度と発表してる。 英国では住宅の健康性、安全性を評価するシステムを構築。 評価により欠陥が認められた住宅は強制的に住宅改修、閉鎖、解体が法令として2006年4月より規定されている。 (以上、伊香賀教授講演、かながわ健康・省エネ住宅推進協議会レポートより) 現在の高齢者社会では高断熱、高気密、計画換気を装備した住宅が『家族の健康を保てる家』として住宅の性能と役目で、最初に検討されるべき項目なのです。 国交省の方針も長期優良住宅→低炭素住宅(LCCM住宅)→ゼロ・エネルギー住宅へと、健康で省エネ性の高い住宅の普及に向けられています。 |
by isoda-shonan
| 2014-05-16 10:52
|
Comments(0)
|
<< 森戸川林道 三光鳥営巣開始 | 健康住宅を建る潮流が始ま... >> |