外断熱推進会議 |
3月10日、特定非営利活動法人「外断熱推進会議」主催の「地球環境と建築物理」をテーマにした学術講演会に参加してきました。 NPO「外断熱推進会議」は平成15年10月に法人設立し、ビル、マンション、住宅、病院等のコンクリート造りの建物を外断熱で建てるよう、普及啓蒙している団体です。 ヨーロッパやアメリカでは断熱材をコンクリート建物の外側に張り、結露防止、屋内の温熱環境の改善、建物への熱橋防止、そして建物の長寿命化と当り前の施工方法になっているのに、日本は内断熱が主流化してしまっている。それは世の中で「断熱の方法」がクローズアップされなかったからで、断熱の方法など二の次だったのです。 しかし、ここにきて消費者を含む国民一般の認識はもとより、作り手側(設計、施工業者)の意識が確実に「良い建物」を作るには、どの様な断熱方法を用いるかという方向に向いつつあります。 当日のセミナーは基調講演が(財)建材試験センターの黒木勝一理事。 「断熱材の特徴と工法」として、基本的な断熱材の性能や知識の講演を受けました。氏の言葉として「各種の断熱材にはそれぞれに特徴があり、それを生かした断熱工法とし、きちんとした施工をすれば欠陥が生じるような建物にはならないはず」だとし、特定した断熱材が良いとか悪いとかの話しはしません。 しかし、「現実には断熱工事が、RC造、木造を問わず、仕様書の中で付帯工事扱いになっていたり、極めて少ない工事費しか計上されていないといった状態である」と、分析しています。 「断熱材の性能だけでなく、建物の設計は、結露のメカニズムや建築物理のトータル的な評価で決定する」という話しには納得しました。 第二部は「地球環境に貢献する建築の役割」と評するアカデミックなパネルディスカッション。パネラーは、その道の学識経験者ばかりでした。 お茶の水女子大学名誉教授の田中辰明先生〔総合司会) 前東海大学学長 工学博士 田中俊文先生 早稲田大学名誉教授 工学博士 木村健一先生 工学院大学学長補佐 工学博士 宇田川光弘先生 それに前述の黒木理事です。 教授連は昭和48年のオイルショック後、国策の「サンシャイン計画」で太陽熱を利用した、暖房/冷房、給湯の研究と同時に建物の「熱負荷」軽減の研究を始め、外断熱の必要性を強く感じるところとなったそうです。 特に田中辰明先生は自宅を太陽熱利用のソーラーハウスをRC造外断熱で1980年に建築し、省エネルギー性やカビ・ダニの追放と自らの家で検証しています。 地球温暖化防止の世の中は、この様に「外断熱」の建物が広く啓蒙されつつあるなか、当社としてもますます「外断熱の家」をしっかりと普及させなくてはならない。と、意を強くしてまいりました。 「外断熱推進会議」 http//www.sotodan-npo.org |
by isoda-shonan
| 2008-03-15 13:19
| コラム
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