002-坪単価のまやかし |
建築業界では、住宅価格を表す言葉として、一坪当たりいくら位掛かるかを坪単価と表しています。 古くは、建材や大工さんの手間を坪いくら、屋根屋さんや左官屋さんも坪単価、で取引が行われていました。(現在は、ほとんどが㎡単価に置き換えられています。)その名残として、今でも建物の価格を坪単価で表しています。 本来の坪単価は、総建築費を延床面積で割った値を指します。しかし現状では、住宅会社の大半は、外部電気工事費、外部給排水工事費、ガス工事費、居室の照明器具、各種申請費用などの費用をはずして、建築本体価格のみの坪単価を表示しています。 これは、建てる土地の条件によって各種工事費や諸費用が異なってくるためで、一概に間違っているとは言えません。 また、坪単価は、分母の延べ床面積の大小により、高くなったり安くなったりします。(建物が大きくなればなるほど、坪単価は安く表示されます。) 3.3㎡いくらと表示している建物の延床面積は、各社異なりますが、45坪位を標準としているようです。 かつて、住宅の価格破壊と表して、「坪単価¥368,000-原価公開!」という会社がありました。よく調査してみたら、これは60坪の家を建てたときの価格でした。結局、売るだけ売ってその会社は消滅しました・・・。 総予算を考えるにあたり、本体工事以外の工事費や外構工事、カーテン類、空調設備費なども、算入して打ち合わせをした方が良いでしょう。 坪単価は、あくまでも目安であって、設計や仕様、建物の大きさによって変わることを知っておきましょう。 単純に坪単価だけで、間取りも工法も仕様も違うメーカーや工務店を比較して、安いとか高いとかではなく、自分たちがこれから一生住む家(一生住んでいきたい家)は一体どんな家なのか、をまず考えていただきたいと思います。 参考 1尺=303mm 3尺=909mm(910mm) 6尺=1間=1,818mm(1,820mm) 1間×1間=1坪(3.3㎡)(2帖) |
by isoda-shonan
| 2005-09-12 16:15
| コラム
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